検査項目

肝機能

検査内容

血清総蛋白(TP)

基準値6.5~7.9g/dl  
血液中のたんぱく質の量を調べます。

高度上昇 9g/dl以上
多発性骨髄腫などの重症な疾患が疑われます。
中等度上昇 8.1~9.0g/dl
慢性肝炎や肝硬変の初期など、肝臓の病気が疑われます。悪性腫瘍(癌)や脱水を起こしているときも、上昇する場合があります。
基準値 6.5~7.9g/dl
中等度減少 5.0~6.0g/dl以下
上記疾患に加え、栄養失調も考えられる状態です。体のどこかに炎症がある場合も、軽度の減少を示すことがあります。
高度減少 5.0g/dl以下
腎臓の疾患(ネフローゼ症候群)、重症肝障害が疑われます。

Alb(アルブミン)

基準値3.9〜9.9g/dl以上
血液中のたんぱく質の約半分を占める種類のたんぱく質です。
減少で疑われる疾患は、血清総蛋白とさほど変わりませんが、主に肝臓や腎臓の病気、栄養失調などで影響を強く受けます。

A/G比(アルブミン/グロブリン比)

基準値1.20~2.00 
血液のなかのたんぱく質は大きく分けると、アルブミンとグロブリンに分けられます。
この二つのたんぱく質の比率を調べることで、詳しい疾患の有無を調べることが出来ます。

1.20以下

多発性骨髄腫や膠原病、肝臓の疾患、腎臓の疾患、栄養失調が疑われる状態です。

2.10以上

原発性免疫不全症候群、後天性免疫不全症候群(AIDS)が疑われます。ステロイドなどの免疫抑制剤の使用でも、上昇する場合があります。

総ビリルビン(T-Bil)

基準値1.10以下
肝臓で作られ、胆汁という消化液の素になる成分です。便の茶色や尿の黄色い成分でもあります。
肝臓の障害や、胆汁の通り道の閉鎖などで排泄が上手くいかなくなると、 全身の皮膚や眼球に溜まり黄疸の原因になります。

1.20以上

急性肝炎や慢性肝炎などの肝障害、胆管閉塞などで上昇します。

ALP(アルカリホスファターゼ)

基準値110~350
肝胆道系酵素と呼ばれる胆嚢・肝臓由来の物質ですが、骨や胎盤、小腸に由来するものもあります。
肝機能系を主に調べる指標となりますが、骨腫瘍などの悪性腫瘍を調べる時にも活躍します。
特性として、B型とO型の方は生理的な上昇をみる場合があり、食事の影響も強く受けるため、空腹時での検査が望ましいです。

高度上昇 600IU/l以上
胆管腫瘍や胆管結石などによる閉塞性黄疸、転移性肝癌、転移性骨腫瘍などが考えられます。
軽度〜中等度上昇 350~600IU/l
上記疾患に加えて、胆道感染や骨疾患(骨折や骨軟化症)、肝臓の病気全般などで上昇します。成長期や妊娠時、B型O型の生理的な上昇の範囲内でもあります。
基準値 110~350IU/l
低値 80UI/l以下
遺伝性低ALP血症が疑われます。

LAP(ロイシンアミノぺプチターゼ)

基準値30〜70U/l
主に肝臓の細胞に由来する成分です。肝臓の細胞が壊されたり、障害を受けると上昇します。

高度上昇 200U/l
胆石・胆嚢炎や、急性肝炎・アルコール性肝炎などの肝臓の病気が疑われます。
軽度 70~200U/l
肝細胞癌、転移性肝癌、胆石などによる胆道閉塞が疑われます。
基準値 30〜70U/l

AST【GOT】(アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)

基準値30IU/l以下
ほとんどが肝臓の細胞に含まれる成分です。
肝細胞の破壊など肝疾患で上昇し、疑われる肝臓の病気はAST【GOT】と変わりません。
心筋梗塞や筋肉の病気の影響は受けません。

高度上昇 500IU/l以上
軽度~中等度 40~500IU/l
基準値 30IU/l以下

ALT【GTP】(アラニンアミノトランスフェラーゼ)

基準値30IU/l以下

γ‐GTP(ガンマ‐グルタミルトランスペプチターゼ)

基準値50IU/l以下
肝障害で上昇する成分ですが、アルコールや薬物の影響を強く受けます。

中等度~高度上昇 100IU/l以上
アルコール性肝障害・急性アルコール性肝炎・薬物性肝障害の他に、肝硬変や肝癌でも上昇します。
軽度上昇 50~100IU/l
アルコール性肝障害の他に、脂肪肝などが疑われます。
基準値 50IU/l以下

LDH(乳酸脱水素酵素)

基準値120~240IU/l
LDHは体内の全ての細胞に含まれる酵素です。
肝臓だけでなく、全身の疾患の発見に貢献する検査です。

高度上昇 1000IU/以上
中等度増加 600~1000IU/l
悪性リンパ腫・リンパ性白血病・慢性骨髄性白血病や悪性腫瘍(癌)、皮膚筋炎や、筋ジストロフィーなどが疑われます。
軽度増加 400~600IU/l
心不全・心筋症・慢性肝炎・肝硬変・慢性腎炎、ネフローゼ症候群・悪性腫瘍(癌)が疑われます。
基準値 120~240IU/l 

ChE(コリンエステラーゼ)

基準値 男性240~490IU/l 女性200~460IU/l
肝臓で造られるたんぱく質です。代謝や排泄の影響を受けるため、肝臓以外の疾患も反映します。

上限以上

多発性骨髄腫や膠原病、肝臓の疾患、腎臓の疾患、栄養失調が疑われる状態です。

下限以下

肝硬変や肝臓癌・慢性や急性の肝炎・敗血症などの重症感染症や栄養失調でも低下します。

Amy(アミラーゼ)

基準値35~120IU/l
肝臓で造られるたんぱく質です。代謝や排泄の影響を受けるため、肝臓以外の疾患も反映します。

高値(上限以上)

急性膵炎、慢性膵炎が疑われます。膵癌の発見にもつながることがあります。

低値(下限以下)

糖尿病により膵機能の低下が起こると、低値になる場合があります。

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